野いちご源氏物語 四五 橋姫(はしひめ)

殺風景(さっぷうけい)山荘(さんそう)だけれど、そこにお住まいの姫君(ひめぎみ)たちが魅力(みりょく)的すぎる。
帰りがたく思っていらっしゃるうちに夜が明けていった。
「ほんの少しお話しさせていただけでは、かえって心残りな気がいたします。しかし、こういう(うら)(ごと)はもっとお近づきになってから申し上げるべきですね。これからはもっと私を信頼なさって、うちとけて話し相手をしてくださいますように。私の誠意をまったく分かっておられないのかとがっかりしてしまいますから」
姫君たちにお姿を見られることを恥ずかしがって、(かおる)(きみ)はそれだけおっしゃると、(みや)様の家来が用意したお部屋にお入りになった。