垣間見はそこまでになさって、宮様の家来が控えているところへ行かれた。
「八の宮様がお留守だったことは残念だが、思わぬよいことがあった。さぁ、姫君たちに私が参っていることをお伝えしておくれ。お会いくださるだろうか。霧に濡れて宇治までやって来た苦労をお話ししたい」
家来はすぐに姫君のお部屋近くへ向かった。
家来からの伝言を女房を通じてお聞きになると、姫君たちはびっくりなさった。
「薫の君がお越しとは思いもよらなかった。くつろいで演奏していたのを聞かれてしまったのね」
恥ずかしくてたまらないご様子なの。
「そういえばとてもよい香りの風が吹いてきていたわ。そのときに気づくべきだったのに」
おろおろしながらも、ただ恥ずかしがっていらっしゃる。
仲介役をする女房もこういうことに慣れていない。
まごまごしていて、すぐに客席を用意するふうでもなさそうだから、薫の君は姫君のお部屋の前の濡れ縁に座ってしまわれる。
田舎暮らしに慣れきった女房たちは、ご挨拶さえろくに申し上げられない。
たどたどしく敷物だけを差し出した。
「姫君たちとお近づきになりたいのです。浅い気持ちで都から来られるような場所ではありません。そのくらいはお分かりいただけるだろうと期待しております」
薫の君は簾の向こうにやさしくお話しになる。
「八の宮様がお留守だったことは残念だが、思わぬよいことがあった。さぁ、姫君たちに私が参っていることをお伝えしておくれ。お会いくださるだろうか。霧に濡れて宇治までやって来た苦労をお話ししたい」
家来はすぐに姫君のお部屋近くへ向かった。
家来からの伝言を女房を通じてお聞きになると、姫君たちはびっくりなさった。
「薫の君がお越しとは思いもよらなかった。くつろいで演奏していたのを聞かれてしまったのね」
恥ずかしくてたまらないご様子なの。
「そういえばとてもよい香りの風が吹いてきていたわ。そのときに気づくべきだったのに」
おろおろしながらも、ただ恥ずかしがっていらっしゃる。
仲介役をする女房もこういうことに慣れていない。
まごまごしていて、すぐに客席を用意するふうでもなさそうだから、薫の君は姫君のお部屋の前の濡れ縁に座ってしまわれる。
田舎暮らしに慣れきった女房たちは、ご挨拶さえろくに申し上げられない。
たどたどしく敷物だけを差し出した。
「姫君たちとお近づきになりたいのです。浅い気持ちで都から来られるような場所ではありません。そのくらいはお分かりいただけるだろうと期待しております」
薫の君は簾の向こうにやさしくお話しになる。



