野いちご源氏物語 四五 橋姫(はしひめ)

秋の終わり、(みや)様は阿闍梨(あじゃり)の寺にしばらくお(こも)りになった。
仏教の行事を七日間かけて行いなさる。
山荘(さんそう)に残された姫君(ひめぎみ)たちはお心細い。
今ごろ父宮(ちちみや)はどうなさっているだろうとお考えになっていると、(かおる)(きみ)がお越しになった。
「しばらくお訪ねしていない」と思いたってお越しになったから、宮様がお留守であることはご存じないの。
夜遅く、少しのお(とも)だけを連れて、こっそりと(みやこ)を出ていらっしゃったみたい。