野いちご源氏物語 四五 橋姫(はしひめ)

ご結婚から何年か()ってもお子がお生まれにならない。
「寂しい暮らしなのだから、せめてかわいらしい子どもがほしい」
ときどきそんなことを()らしていらっしゃると、とてもかわいらしい姫君(ひめぎみ)がお生まれになった。
このお子を大切に大切にお育てなさっていたら、またご正妻(せいさい)はご懐妊(かいにん)なさった。

<今度は男の子だったらよい>
(はち)(みや)様はそうお思いになっていたけれど、また姫君がお生まれになったわ。
でも、ご出産のあと、ご正妻は体調が回復しないまま亡くなってしまわれた。
宮様は<なんということだ>と思い(まど)われる。