宮様は感心なさる。
「お若いのにめずらしい。仏教というのは、ある程度年を取ってこの世に嫌気の差した人が、もう来世に期待するしかないと思って興味を持つものだろう。薫の君はまだお若い上に、何事も思いのままにできるお立場なのだから、俗世間の楽しみに夢中になっておられてもおかしくはない。それなのに、死んだあとのことを考えて仏教の勉強をしたいとおっしゃるとは。なんとご立派なことだ。
むしろ私など、仏様が数々の試練を与えてくださったから今の状況になったにすぎない。もし東宮交代の計画に巻きこまれていなければ、妻が若くして亡くなっていなければ、都の屋敷が火事になっていなければ、はたしてここまで熱心に修行していたかどうか。
しかも残りの寿命は短く、もっと仏教を理解したくても限界が見えてきている。薫の君は尊敬すべき仏教仲間だ」
そうおっしゃって文通をお始めになった。
「お若いのにめずらしい。仏教というのは、ある程度年を取ってこの世に嫌気の差した人が、もう来世に期待するしかないと思って興味を持つものだろう。薫の君はまだお若い上に、何事も思いのままにできるお立場なのだから、俗世間の楽しみに夢中になっておられてもおかしくはない。それなのに、死んだあとのことを考えて仏教の勉強をしたいとおっしゃるとは。なんとご立派なことだ。
むしろ私など、仏様が数々の試練を与えてくださったから今の状況になったにすぎない。もし東宮交代の計画に巻きこまれていなければ、妻が若くして亡くなっていなければ、都の屋敷が火事になっていなければ、はたしてここまで熱心に修行していたかどうか。
しかも残りの寿命は短く、もっと仏教を理解したくても限界が見えてきている。薫の君は尊敬すべき仏教仲間だ」
そうおっしゃって文通をお始めになった。



