帰っていく阿闍梨と一緒に、上皇様はお使者を宇治へお遣わしになった。
「寂しいところでご立派に修行なさっていると聞きました。私も出家したいとは思っていますが、あなたは賛成してくださらないでしょうか」
というご伝言を、八の宮様はよろこんでお受けになる。
都からのお使者なんてめったに来ないから、地元の食材でおもてなしなさった。
お返事は、
「悟りすましているというほどではございません。世の中をつまらなく思って修行に励んでいるだけですが、そんな生活には宇治という寂しい土地が似合っております」
とお書きになった。
<やはり今も世間を恨んでおられるということか>
遠い昔、ご自分が東宮の座から引きずりおろされかけた事件を思い出される。
弘徽殿の女御様が「八の宮様を新東宮に」とかつぎ上げなさったけれど、結局失敗して、巻きこまれた八の宮様は貴族社会から追放されてしまったの。
上皇様は無事に東宮の座を守り、そのまま帝におなりになった。
あらためて八の宮様のご生涯をお気の毒にお思いになる。
「寂しいところでご立派に修行なさっていると聞きました。私も出家したいとは思っていますが、あなたは賛成してくださらないでしょうか」
というご伝言を、八の宮様はよろこんでお受けになる。
都からのお使者なんてめったに来ないから、地元の食材でおもてなしなさった。
お返事は、
「悟りすましているというほどではございません。世の中をつまらなく思って修行に励んでいるだけですが、そんな生活には宇治という寂しい土地が似合っております」
とお書きになった。
<やはり今も世間を恨んでおられるということか>
遠い昔、ご自分が東宮の座から引きずりおろされかけた事件を思い出される。
弘徽殿の女御様が「八の宮様を新東宮に」とかつぎ上げなさったけれど、結局失敗して、巻きこまれた八の宮様は貴族社会から追放されてしまったの。
上皇様は無事に東宮の座を守り、そのまま帝におなりになった。
あらためて八の宮様のご生涯をお気の毒にお思いになる。



