阿闍梨は上皇様にもお仕えしていた。
たまに都に出るとお住まいに上がって、お経についてのご質問にお答えする。
そのついでに八の宮様のことを申し上げた。
「近ごろ八の宮様が宇治にお移りになりまして、お経のことをお教えしておりますが、とてもご聡明な宮様でいらっしゃいます。ご出家なさっていないとは思えないほど仏教について深く理解なさっています。そういう運命でお生まれになった方なのでしょう。お心を落ち着けて修行なさっているご様子などは、まさに尊い僧侶のように拝見しております」
「ずいぶん長く仏教の勉強をなさっていると聞くが、まだ出家はしておられないのだね。『俗世間にいる聖』と若い貴族たちが呼んでいるらしい。事情があってご出家できずにいらっしゃるのだろう。お気の毒だがご立派なことだ」
ちょうどその場に控えていた薫の君は、八の宮様のお話にお耳を留められた。
<私もこの世をつまらないと思ってはいるけれど、世間体を気にして目立つほどの修行はできずにいる。悔しい過ごし方だ。出家しないままで尊い僧侶のようになる方法があるのだろうか。真似できることがあるかもしれない>
気になってお話を聞いていらっしゃる。
「もちろん出家をお望みなのですが、ちょっとした理由で実現できずにいらっしゃるようです。『かわいそうな姫たちを見捨てることができない』と嘆いておいででした」
話題は姫君たちのことに移っていく。
たまに都に出るとお住まいに上がって、お経についてのご質問にお答えする。
そのついでに八の宮様のことを申し上げた。
「近ごろ八の宮様が宇治にお移りになりまして、お経のことをお教えしておりますが、とてもご聡明な宮様でいらっしゃいます。ご出家なさっていないとは思えないほど仏教について深く理解なさっています。そういう運命でお生まれになった方なのでしょう。お心を落ち着けて修行なさっているご様子などは、まさに尊い僧侶のように拝見しております」
「ずいぶん長く仏教の勉強をなさっていると聞くが、まだ出家はしておられないのだね。『俗世間にいる聖』と若い貴族たちが呼んでいるらしい。事情があってご出家できずにいらっしゃるのだろう。お気の毒だがご立派なことだ」
ちょうどその場に控えていた薫の君は、八の宮様のお話にお耳を留められた。
<私もこの世をつまらないと思ってはいるけれど、世間体を気にして目立つほどの修行はできずにいる。悔しい過ごし方だ。出家しないままで尊い僧侶のようになる方法があるのだろうか。真似できることがあるかもしれない>
気になってお話を聞いていらっしゃる。
「もちろん出家をお望みなのですが、ちょっとした理由で実現できずにいらっしゃるようです。『かわいそうな姫たちを見捨てることができない』と嘆いておいででした」
話題は姫君たちのことに移っていく。



