ひっそりお暮らしになっていたある日、お屋敷が火事で焼けてしまった。
ただでさえおつらい世の中なのに、これでは追い打ちよね。
ふさわしいお引越し先は都のなかにはなくて、宇治というところにある山荘にお移りになることになった。
僧侶のように何にも執着心を持たない宮様でも、さすがに都を離れるのは悲しくお思いだった。
山荘の近くの宇治川は流れが激しい。
騒々しい川音は静かなお暮らしの邪魔だったけれど、他にどうしようもない。
山荘らしい花や紅葉でお気を紛らわせてぼんやりとお暮らしになる。
<こんな山里暮らしでも、亡き妻が一緒だったなら>
とばかりお考えになっている。
「妻も屋敷も煙になったというのに、どうして私だけ消えずに残っているのだ」
もう生きている甲斐もないと、亡きご正妻を恋しくお思いになる。
ただでさえおつらい世の中なのに、これでは追い打ちよね。
ふさわしいお引越し先は都のなかにはなくて、宇治というところにある山荘にお移りになることになった。
僧侶のように何にも執着心を持たない宮様でも、さすがに都を離れるのは悲しくお思いだった。
山荘の近くの宇治川は流れが激しい。
騒々しい川音は静かなお暮らしの邪魔だったけれど、他にどうしようもない。
山荘らしい花や紅葉でお気を紛らわせてぼんやりとお暮らしになる。
<こんな山里暮らしでも、亡き妻が一緒だったなら>
とばかりお考えになっている。
「妻も屋敷も煙になったというのに、どうして私だけ消えずに残っているのだ」
もう生きている甲斐もないと、亡きご正妻を恋しくお思いになる。



