不思議な宮様でいらっしゃるでしょう?
八の宮様がこれまでどういうご生涯だったかというと、まず、父帝も母女御様も幼いころに亡くしてしまわれたの。
しっかりした後見役がいないところへ近づいていらっしゃったのが、当時の弘徽殿の女御様。
覚えているかしら、源氏の君を嫌っていた意地悪な女御様よ。
この女御様は新しい帝の母君だった。
東宮は藤壺の中宮様がお生みになった皇子様。
この皇子様のことが弘徽殿の女御様はお気に召さない。
なぜなら後見役が源氏の君だったから。
それで女御様は、この皇子様を東宮の位から引きずりおろして、八の宮様を新しい東宮にしようとなさった。
結局その計画は失敗するのだけれど、八の宮様は源氏の君から距離を置かれてしまわれた。
そんなことがあって内裏でのお立場をなくし、世間から忘れ去られていらっしゃったのよ。
権力争いに巻き込まれた少年時代だったから、深く学問などはなさっていない。
ましてや上手な世渡りの仕方を学ぶことなどおできにならなかった。
ご成人後も驚くほどおっとりとしたままで、まるで深窓の姫君のようでいらっしゃったの。
父帝や母女御様から相続なさった財産はたくさんあった。
でも、いつの間にか少しずつ、消えるようになくなっていった。
ふだんお使いになる家具にだけは立派なものが残っている。
お訪ねしたりご支援したりする人はいない。
寂しさを紛らわせようと、内裏から音楽の師匠を招いてはちょっとした音楽会をなさっていたから、音楽に関しては優れた方でいらっしゃるのだけれどね。
源氏の君の一族が権力を握る時代が長く続いて、宮様の方から世間に出ていくことも遠慮なさっていた。
そうして近ごろでは、出家していないのに僧侶のような人になってしまわれたの。
八の宮様がこれまでどういうご生涯だったかというと、まず、父帝も母女御様も幼いころに亡くしてしまわれたの。
しっかりした後見役がいないところへ近づいていらっしゃったのが、当時の弘徽殿の女御様。
覚えているかしら、源氏の君を嫌っていた意地悪な女御様よ。
この女御様は新しい帝の母君だった。
東宮は藤壺の中宮様がお生みになった皇子様。
この皇子様のことが弘徽殿の女御様はお気に召さない。
なぜなら後見役が源氏の君だったから。
それで女御様は、この皇子様を東宮の位から引きずりおろして、八の宮様を新しい東宮にしようとなさった。
結局その計画は失敗するのだけれど、八の宮様は源氏の君から距離を置かれてしまわれた。
そんなことがあって内裏でのお立場をなくし、世間から忘れ去られていらっしゃったのよ。
権力争いに巻き込まれた少年時代だったから、深く学問などはなさっていない。
ましてや上手な世渡りの仕方を学ぶことなどおできにならなかった。
ご成人後も驚くほどおっとりとしたままで、まるで深窓の姫君のようでいらっしゃったの。
父帝や母女御様から相続なさった財産はたくさんあった。
でも、いつの間にか少しずつ、消えるようになくなっていった。
ふだんお使いになる家具にだけは立派なものが残っている。
お訪ねしたりご支援したりする人はいない。
寂しさを紛らわせようと、内裏から音楽の師匠を招いてはちょっとした音楽会をなさっていたから、音楽に関しては優れた方でいらっしゃるのだけれどね。
源氏の君の一族が権力を握る時代が長く続いて、宮様の方から世間に出ていくことも遠慮なさっていた。
そうして近ごろでは、出家していないのに僧侶のような人になってしまわれたの。



