人事異動があって、薫の君は中納言におなりになった。
あの中将様も今では上級貴族の仲間入りを果たされた。
夕霧大臣家と紅梅大臣家の人たちばかりが出世していく世の中よ。
薫の君は昇進のご挨拶回りをなさる。
玉葛の君のお屋敷にもいらっしゃった。
「夫が亡くなり、子どもたちも巣立っていって、寂しくなる一方の家です。嫌がりもせずよくお越しくださいましたね。これも源氏の君のおかげとありがたく思っております」
もう五十代におなりだけれど、お声は上品でおかわいらしいまま。
<いつまでも若々しくていらっしゃる。こういう女性だから、上皇様はいまだに執着なさっているのだろう。今に困ったことが起きるのではないか>
薫の君は思わず心配なさる。
あの中将様も今では上級貴族の仲間入りを果たされた。
夕霧大臣家と紅梅大臣家の人たちばかりが出世していく世の中よ。
薫の君は昇進のご挨拶回りをなさる。
玉葛の君のお屋敷にもいらっしゃった。
「夫が亡くなり、子どもたちも巣立っていって、寂しくなる一方の家です。嫌がりもせずよくお越しくださいましたね。これも源氏の君のおかげとありがたく思っております」
もう五十代におなりだけれど、お声は上品でおかわいらしいまま。
<いつまでも若々しくていらっしゃる。こういう女性だから、上皇様はいまだに執着なさっているのだろう。今に困ったことが起きるのではないか>
薫の君は思わず心配なさる。



