何年かして、今度は男皇子様をお生みになった。
「上皇様がお若いころさえお子は内親王様おひとりだったのに。こうして次々と皇子様をお生みになるなんて、新女御様はすばらしい幸運の持ち主だ」
と世間が騒ぐ。
もちろん上皇様は世間以上におよろこびでいらっしゃる。
<私が帝の位を降りていなければ、この皇子を東宮にだってできた。今の身分ではどうしてやることもできない。残念だ>
とまでお思いになる。
これまで、内親王様の母君である女御様は、上皇様のお子をお生みになった唯一のお妃様として特別なお立場だった。
でも、かわいらしい姫宮様と皇子様がお生まれになって、どうしても新女御様へのご愛情が深くなる。
叔母女御様もさすがにご不快に思われて、それが女房たちにも伝わる。
だんだん叔母女御様と新女御様の仲がお悪くなっていく。
こういうときってたいてい、新参者よりも昔からいた人の方が同情されやすいのよね。
上皇様のお住まいで働いている人たちも、こぞってご年配の叔母女御様の味方をする。
「図々しい新女御様が悪い」という雰囲気になっていることをご長男はお聞きになって、玉葛の君をお責めになる。
「だから申し上げたではありませんか。私が心配したとおりになりました」
玉葛の君はもう耳をふさいでしまいたい。
「こんな苦労のない、穏やかな結婚生活を送る人だって多いのに。宮仕えなどという難しい結婚は、何もかも完璧な姫でなければさせてはいけなかったのでしょうね。あの姫には後見する父親がいないのだから、身の程知らずな結婚だったのです」
とお嘆きになる。
「上皇様がお若いころさえお子は内親王様おひとりだったのに。こうして次々と皇子様をお生みになるなんて、新女御様はすばらしい幸運の持ち主だ」
と世間が騒ぐ。
もちろん上皇様は世間以上におよろこびでいらっしゃる。
<私が帝の位を降りていなければ、この皇子を東宮にだってできた。今の身分ではどうしてやることもできない。残念だ>
とまでお思いになる。
これまで、内親王様の母君である女御様は、上皇様のお子をお生みになった唯一のお妃様として特別なお立場だった。
でも、かわいらしい姫宮様と皇子様がお生まれになって、どうしても新女御様へのご愛情が深くなる。
叔母女御様もさすがにご不快に思われて、それが女房たちにも伝わる。
だんだん叔母女御様と新女御様の仲がお悪くなっていく。
こういうときってたいてい、新参者よりも昔からいた人の方が同情されやすいのよね。
上皇様のお住まいで働いている人たちも、こぞってご年配の叔母女御様の味方をする。
「図々しい新女御様が悪い」という雰囲気になっていることをご長男はお聞きになって、玉葛の君をお責めになる。
「だから申し上げたではありませんか。私が心配したとおりになりました」
玉葛の君はもう耳をふさいでしまいたい。
「こんな苦労のない、穏やかな結婚生活を送る人だって多いのに。宮仕えなどという難しい結婚は、何もかも完璧な姫でなければさせてはいけなかったのでしょうね。あの姫には後見する父親がいないのだから、身の程知らずな結婚だったのです」
とお嘆きになる。



