年が明けた。
一晩かけておめでたい歌を歌って回る行事が行われる。
音楽や舞が得意な若い貴族の多いころだったから、一団は選りすぐりの人たちばかりよ。
薫の君は歌を、少将様は楽器を担当なさる。
月の光が華やかな夜、一団は内裏でのご披露を終えて、上皇様のお住まいに回った。
ご懐妊中の新女御様も見物をなさる。
一団の若者たちを見回すと、お美しい人はみんな、夕霧大臣様や紅梅大臣様のご一族なの。
やはり特別なご両家ね。
内裏で帝にご披露したときよりも、上皇様にご披露する方がどなたも緊張するみたい。
気を遣って音楽や舞をお務めになる。
なかでも少将様は、新女御様もご覧になっているだろうかと思うと落ち着かない。
『竹河』という歌を歌いながら建物に近寄っていくところでは、
<あれはもう一年前、玉葛の君のお屋敷で薫の君と鉢合わせた夜も『竹河』を歌ったのだった。あのころはまだ、まさかこんなことになるとは予想していなかった>
と思い出してしまわれる。
振り付けを間違えそうなほど動揺して涙ぐまれるの。
それから一団は、上皇様の中宮様のお住まいに回ってご披露する。
上皇様も移動してご一緒に見物なさった。
少将様の動揺は収まらず、足元がふらふらなさる。
夜が更けるほど月の光は明るくなって、周りの人が少将様のご様子を怪しんでいる。
一晩かけておめでたい歌を歌って回る行事が行われる。
音楽や舞が得意な若い貴族の多いころだったから、一団は選りすぐりの人たちばかりよ。
薫の君は歌を、少将様は楽器を担当なさる。
月の光が華やかな夜、一団は内裏でのご披露を終えて、上皇様のお住まいに回った。
ご懐妊中の新女御様も見物をなさる。
一団の若者たちを見回すと、お美しい人はみんな、夕霧大臣様や紅梅大臣様のご一族なの。
やはり特別なご両家ね。
内裏で帝にご披露したときよりも、上皇様にご披露する方がどなたも緊張するみたい。
気を遣って音楽や舞をお務めになる。
なかでも少将様は、新女御様もご覧になっているだろうかと思うと落ち着かない。
『竹河』という歌を歌いながら建物に近寄っていくところでは、
<あれはもう一年前、玉葛の君のお屋敷で薫の君と鉢合わせた夜も『竹河』を歌ったのだった。あのころはまだ、まさかこんなことになるとは予想していなかった>
と思い出してしまわれる。
振り付けを間違えそうなほど動揺して涙ぐまれるの。
それから一団は、上皇様の中宮様のお住まいに回ってご披露する。
上皇様も移動してご一緒に見物なさった。
少将様の動揺は収まらず、足元がふらふらなさる。
夜が更けるほど月の光は明るくなって、周りの人が少将様のご様子を怪しんでいる。



