<もう無駄だろうが、少しの恨み言は申し上げよう>
いつものように玉葛の君のご三男をお訪ねになると、ご三男はお手紙を読んでいるところだった。
さっとお隠しになったから、
<薫の君からの手紙だろう>
と、少将様は取り上げてしまわれる。
あまりにさりげない恨み言のお手紙だった。
「あなた様に冷たくされたまま春が終わろうとしています」
何の苦しみも嘆きも感じられない文面なの。
<薫の君は恨み言さえ優雅でいらっしゃる。それに比べて私はどうだ。なりふり構わずいつも焦っている男だから見下されてしまったのだろう>
お胸が痛くて、それ以上ご三男のところにはいられない。
ひそかに恋人にしていた女房の部屋へお入りになる。
仲介役をしてもらおうと機嫌をとっていた女房だけれど、今日はひたすら愚痴を聞かせなさる。
ご三男は薫の君のお手紙を持って玉葛の君のところへ行かれたみたい。
お返事をご相談なさるのでしょうね。
<薫の君など本気で求婚なさっていたわけでもないのに、大切に扱われていらっしゃる>
自尊心が傷つけられて、若いお心にはいらだちだけがたまっていく。
いつものように玉葛の君のご三男をお訪ねになると、ご三男はお手紙を読んでいるところだった。
さっとお隠しになったから、
<薫の君からの手紙だろう>
と、少将様は取り上げてしまわれる。
あまりにさりげない恨み言のお手紙だった。
「あなた様に冷たくされたまま春が終わろうとしています」
何の苦しみも嘆きも感じられない文面なの。
<薫の君は恨み言さえ優雅でいらっしゃる。それに比べて私はどうだ。なりふり構わずいつも焦っている男だから見下されてしまったのだろう>
お胸が痛くて、それ以上ご三男のところにはいられない。
ひそかに恋人にしていた女房の部屋へお入りになる。
仲介役をしてもらおうと機嫌をとっていた女房だけれど、今日はひたすら愚痴を聞かせなさる。
ご三男は薫の君のお手紙を持って玉葛の君のところへ行かれたみたい。
お返事をご相談なさるのでしょうね。
<薫の君など本気で求婚なさっていたわけでもないのに、大切に扱われていらっしゃる>
自尊心が傷つけられて、若いお心にはいらだちだけがたまっていく。



