源氏の君がお亡くなりになったあと、よその家にもいろいろなことがあったの。
紅梅大臣様のご家族のお話をしたから、次は玉葛の君のご家族のことをお話ししようかしら。
玉葛の君は亡き太政大臣様の姫君だけれど、訳あってしばらく源氏の君がお世話なさっていた。
今の上皇様が帝であられたころに尚侍という上級女官になって、帝はお妃様にしたいとお思いだったけれど、当時の大将様が強引にご自分のものしてしまわれたの。
大将様は今の帝の伯父君で、そのあと太政大臣にまでご出世なさった。
玉葛の君はお幸せにお暮らしかと思いきや、何年か前に夫君を亡くされた。
ご結婚後すぐ生まれた若君おふたりはもう三十歳近いから、それぞれ結婚して自立なさっている。
問題は遅くに生まれた姫君おふたりで、こちらはまだ十代後半。
どのようなご結婚をさせたらよいか玉葛の君は頭を悩ませていらっしゃる。
その下にご三男もいらっしゃるけれど、男の子だから結婚よりはむしろ内裏でのご出世がどうなるか。
でもこれはもう兄君たちに任せるしかないわ。
やはりご将来をなんとかしてあげなければと心配なのは、断然姫君たちね。
夫君はご長女を入内させるつもりで張り切っておられた。
姫君のご成長を早く早くと待ちかねていらしたけれど、あえなくお亡くなりになると、入内の計画は立ち消えになってしまった。
夫君のご遺産で経済的には豊かだけれど、やはり主人が亡くなった家に世間は冷たい。
お屋敷のなかも静かで寂しくなっていく。
紅梅の大臣様をはじめ、玉葛の君には腹違いの弟君がたくさんいらっしゃる。
でも、高貴な方々はご姉弟とはいえ親しくお付き合いなさるものではない。
しかも亡き夫君が気性の激しい方だったから、弟君たちはこのご一家と少し距離を置いておられたの。
そういうわけで、世間だけでなくお身内ともほとんど交流がないお暮らしをなさっている。
唯一、夕霧の大臣様だけはきちんとご機嫌伺いにいらっしゃる。
短い間とはいえ姉弟として六条の院でご一緒にお暮らしになったし、源氏の君がご遺言で玉葛の君を養女としてお扱いなさったのだもの。
まるで実の弟君のように玉葛の君を敬って気にかけていらっしゃる。
紅梅大臣様のご家族のお話をしたから、次は玉葛の君のご家族のことをお話ししようかしら。
玉葛の君は亡き太政大臣様の姫君だけれど、訳あってしばらく源氏の君がお世話なさっていた。
今の上皇様が帝であられたころに尚侍という上級女官になって、帝はお妃様にしたいとお思いだったけれど、当時の大将様が強引にご自分のものしてしまわれたの。
大将様は今の帝の伯父君で、そのあと太政大臣にまでご出世なさった。
玉葛の君はお幸せにお暮らしかと思いきや、何年か前に夫君を亡くされた。
ご結婚後すぐ生まれた若君おふたりはもう三十歳近いから、それぞれ結婚して自立なさっている。
問題は遅くに生まれた姫君おふたりで、こちらはまだ十代後半。
どのようなご結婚をさせたらよいか玉葛の君は頭を悩ませていらっしゃる。
その下にご三男もいらっしゃるけれど、男の子だから結婚よりはむしろ内裏でのご出世がどうなるか。
でもこれはもう兄君たちに任せるしかないわ。
やはりご将来をなんとかしてあげなければと心配なのは、断然姫君たちね。
夫君はご長女を入内させるつもりで張り切っておられた。
姫君のご成長を早く早くと待ちかねていらしたけれど、あえなくお亡くなりになると、入内の計画は立ち消えになってしまった。
夫君のご遺産で経済的には豊かだけれど、やはり主人が亡くなった家に世間は冷たい。
お屋敷のなかも静かで寂しくなっていく。
紅梅の大臣様をはじめ、玉葛の君には腹違いの弟君がたくさんいらっしゃる。
でも、高貴な方々はご姉弟とはいえ親しくお付き合いなさるものではない。
しかも亡き夫君が気性の激しい方だったから、弟君たちはこのご一家と少し距離を置いておられたの。
そういうわけで、世間だけでなくお身内ともほとんど交流がないお暮らしをなさっている。
唯一、夕霧の大臣様だけはきちんとご機嫌伺いにいらっしゃる。
短い間とはいえ姉弟として六条の院でご一緒にお暮らしになったし、源氏の君がご遺言で玉葛の君を養女としてお扱いなさったのだもの。
まるで実の弟君のように玉葛の君を敬って気にかけていらっしゃる。



