玉葛の君はいつまでも若々しくてお美しい。
とても三十歳近いお子がいらっしゃるようには見えないわ。
上皇様は昔の叶わなかった恋を思い出されて、玉葛の君に会う口実として、ご長女との結婚をお望みになっているの。
でも、ご長男とご次男は、このご結婚に反対でいらっしゃる。
「やはりつまらない気がいたします。世間も『なぜ帝の位をお降りになった上皇様のところへ』と疑問に思うでしょう。たしかにこの世でもっともお美しい方ではありますが、ご身分の盛りは過ぎてしまわれた方です。いっそ東宮様へ入内させなさってはいかがですか」
おっしゃるとおり、東宮様の方がご年齢も姫君にふさわしい。
「それは私も考えてみたのだけれど、東宮様のご愛情は、夕霧大臣様の姫君が独り占めしていらっしゃるのですよ。他のお妃様は競争相手にもならないほどだというから、そんなところへ後見役のいない姫を入内させるのは気の毒でしょう。人に笑われることもあるのではと心配になってしまいます。
亡くなった父君がいてくださいましたらね。その先ご愛情がいただけるかどうかは姫のご運次第だけれど、少なくとも入内当初は華やかに体裁を整えてあげられたのに」
それを言われてしまうと兄君たちも悲しくて、どなたも残念にお思いになる。
とても三十歳近いお子がいらっしゃるようには見えないわ。
上皇様は昔の叶わなかった恋を思い出されて、玉葛の君に会う口実として、ご長女との結婚をお望みになっているの。
でも、ご長男とご次男は、このご結婚に反対でいらっしゃる。
「やはりつまらない気がいたします。世間も『なぜ帝の位をお降りになった上皇様のところへ』と疑問に思うでしょう。たしかにこの世でもっともお美しい方ではありますが、ご身分の盛りは過ぎてしまわれた方です。いっそ東宮様へ入内させなさってはいかがですか」
おっしゃるとおり、東宮様の方がご年齢も姫君にふさわしい。
「それは私も考えてみたのだけれど、東宮様のご愛情は、夕霧大臣様の姫君が独り占めしていらっしゃるのですよ。他のお妃様は競争相手にもならないほどだというから、そんなところへ後見役のいない姫を入内させるのは気の毒でしょう。人に笑われることもあるのではと心配になってしまいます。
亡くなった父君がいてくださいましたらね。その先ご愛情がいただけるかどうかは姫のご運次第だけれど、少なくとも入内当初は華やかに体裁を整えてあげられたのに」
それを言われてしまうと兄君たちも悲しくて、どなたも残念にお思いになる。



