夏の御殿の花散里の君から衣更えのお着物が届いた。
「さっぱりとした夏のお着物をお召しになれば、今日くらいは悲しいお心も落ち着かれるでしょうか」
というお手紙に、
「蝉の抜け殻のような薄い着物を着ると、儚いこの世がますます悲しくなります」
と源氏の君はお返事なさった。
「さっぱりとした夏のお着物をお召しになれば、今日くらいは悲しいお心も落ち着かれるでしょうか」
というお手紙に、
「蝉の抜け殻のような薄い着物を着ると、儚いこの世がますます悲しくなります」
と源氏の君はお返事なさった。



