6月25日、彼は。

一年後。

 
私は橋の上に一輪の花を置いていた。
 
そんな私の隣には今日も丹野くんがいる。

「丹野くん、帰ろ!」

「伶菜、そろそろ俺のことを珀人って呼んでくれても……」

「うーん、私にとって丹野くんは丹野くんで、珀人は珀人なの!」

「???」

ごめんね、丹野くん。この意味は伝わらなくても良いの。

ううん、むしろ伝わらないで欲しい。

 

あの一年間は私と『珀人』だけの思い出だから。



【6月25日、彼は。】



fin.