クリスマスに一人で遊園地に行くなんて恥ずかしいと思っているのに、周りの目など気にならないほどに珀人とクリスマスを過ごしたかった。
 
冬用の制服を着ている私の前に立っているのは、夏服のままの珀人。

それが珀人は幽霊だと示しているようで。1

2月になれば私はコートを着て、マフラーも手袋もつけるだろう。

それでも、珀人は夏服のまま私の隣にいるのだと思うと息がしづらくなるような苦しさを感じた。

「伶菜? どうかした?」

「ううん、何でもない。クリスマスが楽しみだなって思ってただけ!」

私は前に立っている珀人の隣に移動する。

6月25日に珀人がいなくなるとしても、どれだけ寂しくても、今は珀人の隣を歩きたかった。

珀人に言われた通り、自殺の原因を考えるより今の日々を楽しんで自殺しようなんて考えないようにすれば良いのかもしれない。

そう思うだけで心が軽くなるのが分かった。