「悪い意味じゃなくて、前に凄い真剣な顔で廊下を見ていたから何かあるのかと思って私まで見ちゃった」
「あー、多分ぼーっとしてただけだと思う」
笑って誤魔化す。
あの日から珀人は教室に入らずに廊下から私を見ている時がある。
だから、私は珀人と目を合わさないように授業に集中していたつもりだったのに……それすら出来ていなかったらしい。
珀人と距離を置けていると思っていたのに。
このままでは嫌だと思いながらも、私は丹野くんと話せるようになった現状を手放したくないのだ。
そんな感情を抱きながら、放課後になっても悩んだままだった。
「危ない……!!」
その声で瞬間的に立ち止まる。
ほぼ無意識に立ち止まっていた。
目の前に車が通り過ぎていく。信号は赤く光っていて、自分がどれだけ危険だったかを考えるだけで冷や汗が滲んでくる。
「あー、多分ぼーっとしてただけだと思う」
笑って誤魔化す。
あの日から珀人は教室に入らずに廊下から私を見ている時がある。
だから、私は珀人と目を合わさないように授業に集中していたつもりだったのに……それすら出来ていなかったらしい。
珀人と距離を置けていると思っていたのに。
このままでは嫌だと思いながらも、私は丹野くんと話せるようになった現状を手放したくないのだ。
そんな感情を抱きながら、放課後になっても悩んだままだった。
「危ない……!!」
その声で瞬間的に立ち止まる。
ほぼ無意識に立ち止まっていた。
目の前に車が通り過ぎていく。信号は赤く光っていて、自分がどれだけ危険だったかを考えるだけで冷や汗が滲んでくる。



