「俺と付き合う?」

「嫌」

「え?」

想定外の断りの言葉に珀人が驚いている。

「だって、私が好きなのは丹野くんだもん」

私は大事なことなので、もう一度大きな声で繰り返した。

「だから俺も丹野だって!」

「嫌だ! 幽霊じゃなくて、実物の丹野くんと付き合いたい!」

「わがままか!」

丹野くんと気軽に話している、そんな気持ちになる。

それが楽しくて、もう少しこの時間を楽しんでも良いと思った。

それにシンプルに幽霊と付き合うのは怖い。

それと、この状況も冷静に考えると怖いままだし。