好きな人が私と付き合おうと言ってくれている。

幽霊だけれど。

だからつい聞きたくなってしまう。

「私のこと好き?」

そんな面倒臭い女のような言葉に珀人はすぐに「当たり前に好きだけど」と返した。

「……」

 両手が顔を覆ったまま、何も話さなくなる私。

「伶菜? どうした?」

「うるさい。話しかけないで」

「あー、照れてる感じか。よく伶菜がやるやつだ」

珀人は私の癖にすら慣れているらしい。

本当に一年後の未来では、私と珀人は付き合っていたのかもしれない。

そう信じたくなってしまう。

そして、私の照れている行動に珀人は告白の了承を確信したようだった。