野いちご源氏物語 三八 夕霧(ゆうぎり)

この典侍(ないしのすけ)は、源氏(げんじ)(きみ)の特別な家来である惟光(これみつ)の娘で、内裏(だいり)で働く女官(にょかん)なの。
雲居(くもい)(かり)との恋がうまくいかなかった間に、ただひとり大将(たいしょう)様が恋人になさった女性よ。
ご結婚されてからはお会いになることは減ったけれど、それでも四人のお子が生まれている。

正妻(せいさい)の雲居の雁には、大将様の長男、三男、五男、六男、次女、四女、五女の七人がいらっしゃって、典侍のところには、次男、四男、長女、三女、六女の五人がいらっしゃる。
見劣(みおと)りするお子はいなくて、どなたもとてもおかわいらしく、それぞれ魅力(みりょく)がおありなの。
とくに典侍がお生みしたご次男とご三女は、母親の身分が低いにもかかわらず(すぐ)れた幼子(おさなご)だったから、六条(ろくじょう)(いん)花散里(はなちるさと)(きみ)が引き取ってお育てになっている。
源氏の君もたびたび遊び相手をしてかわいがっておられる。

さて、大将様とご正妻、そして(おんな)()(みや)様がどうなっていかれるのかは、決着がついたころにお話しいたしましょう。