大将様が宮様のお屋敷で何日か過ごされていたころ、三条邸のご正妻は家出の準備をなさっていた。
<いよいよ私は捨てられてしまった。まさかあちらに行かれたきりにはならないだろうと信じていたのに。真面目な夫が心変わりをすると昔の妻のことなど完全に忘れてしまうというのは本当だったのだ>
夫婦関係などあっけないものだと思い知らされた気がなさる。
<これ以上の恥はかきたくない>
と、ご実家へお戻りになった。
ちょうど姉君の女御様が、新上皇様のお住まいから里下がりしておられたからご対面なさる。
よい気晴らしになるとお思いになって、いつものようにすぐには三条邸にお帰りにならない。
大将様は宮様のお屋敷でそれをお聞きになった。
<あぁ、やはり突拍子もないことをなさるご性格だ。父君の元太政大臣様もおっとりしたご性格ではいらっしゃらないから、父娘ですぱっと結論をお出しになるだろう。『腹が立つから会ってやらぬ、話も聞いてやらぬ』となったら、大事になってしまう>
あわてて三条邸にお帰りになると、ある程度大きい男の子たちは残っている。
姫君たちと赤子だけをお連れになったみたいなの。
父君がお帰りになったことをよろこんではしゃぐお子もいれば、母君を恋しがって泣いているお子もいる。
大将様は苦々しくお思いになる。
<いよいよ私は捨てられてしまった。まさかあちらに行かれたきりにはならないだろうと信じていたのに。真面目な夫が心変わりをすると昔の妻のことなど完全に忘れてしまうというのは本当だったのだ>
夫婦関係などあっけないものだと思い知らされた気がなさる。
<これ以上の恥はかきたくない>
と、ご実家へお戻りになった。
ちょうど姉君の女御様が、新上皇様のお住まいから里下がりしておられたからご対面なさる。
よい気晴らしになるとお思いになって、いつものようにすぐには三条邸にお帰りにならない。
大将様は宮様のお屋敷でそれをお聞きになった。
<あぁ、やはり突拍子もないことをなさるご性格だ。父君の元太政大臣様もおっとりしたご性格ではいらっしゃらないから、父娘ですぱっと結論をお出しになるだろう。『腹が立つから会ってやらぬ、話も聞いてやらぬ』となったら、大事になってしまう>
あわてて三条邸にお帰りになると、ある程度大きい男の子たちは残っている。
姫君たちと赤子だけをお連れになったみたいなの。
父君がお帰りになったことをよろこんではしゃぐお子もいれば、母君を恋しがって泣いているお子もいる。
大将様は苦々しくお思いになる。



