野いちご源氏物語 三八 夕霧(ゆうぎり)

大将(たいしょう)様は春の御殿(ごてん)源氏(げんじ)(きみ)にご挨拶(あいさつ)に行かれた。
源氏の君は特に何もおっしゃらず、ただご子息(しそく)のお顔をじっとご覧になっている。
とてもお美しくて、今が(おとこ)(ざか)りでいらっしゃるの。
どれほどの浮気をしたとしても、世間はもちろん神様もお許しになりそうなご様子よ。

男らしくて上品で、若さがきらめいている。
とはいえ苦労を知らない若者ではいらっしゃらない。
人生経験を積んで人間として完成しておられる。
<女にして見てみたいものだ。この見た目で調子に乗らない方が無理だろう>
ご自分のお子だけれど、すばらしい男ぶりだとほれぼれなさる。