<大将が六条の院に来たら、女二の宮様とのことを尋ねてみよう>
と源氏の君はお思いになる。
でも、あからさまな言い方は気が引けて、亡き御息所のことからさりげなく切り出された。
「御息所の四十九日はもうそろそろだろうか。お亡くなりになったと聞いてからあっという間だった。あっけないものだ。私ものんびりしていてはいけないな。出家したいと思いながらなんだかんだでできずにいるが、いつ死ぬか分からないのだから」
「この世を捨てるのはたいしたことのない身分の者でも簡単ではないようですから、父君が踏み切れないのはごもっともでございます。
御息所の四十九日のご法要は、御息所の甥の大和の守がなんとか一人で準備しております。とくに力のあるご親族はいらっしゃらないようで、ご存命の間はともかく、お亡くなりになったあとは寂しいお扱いを受けておいでです」
「とはいえ入道の上皇様からもご弔問はあるだろう。更衣として内裏におられたころはそれほど評判になるような方ではなかったが、やはり優れた方だったのだろうね。未亡人になられた女二の宮様のお世話もしっかりなさっていたと聞く。立派な人ほど早く亡くなってしまうものだな。
そんな方だから上皇様もお悲しみのはずだ。内親王の母君でいらっしゃるのだしね。女二の宮様のことは、こちらにいらっしゃる女三の宮様の次にかわいがっておられた。お人柄のよい宮様なのだろう」
「どのような宮様かは存じませんが、御息所は欠点のない方のようにお見受けいたしました。もちろん親しくさせていただくことはございませんでしたでしたが、ちょっとしたことでもお人柄というものは表れてまいりますので」
宮様のことは話題になさらない。
<この男が決めたのなら、私が意見したところで聞かないだろう。正論を言っても無駄だ>
源氏の君は見守るしかないとお諦めになった。
と源氏の君はお思いになる。
でも、あからさまな言い方は気が引けて、亡き御息所のことからさりげなく切り出された。
「御息所の四十九日はもうそろそろだろうか。お亡くなりになったと聞いてからあっという間だった。あっけないものだ。私ものんびりしていてはいけないな。出家したいと思いながらなんだかんだでできずにいるが、いつ死ぬか分からないのだから」
「この世を捨てるのはたいしたことのない身分の者でも簡単ではないようですから、父君が踏み切れないのはごもっともでございます。
御息所の四十九日のご法要は、御息所の甥の大和の守がなんとか一人で準備しております。とくに力のあるご親族はいらっしゃらないようで、ご存命の間はともかく、お亡くなりになったあとは寂しいお扱いを受けておいでです」
「とはいえ入道の上皇様からもご弔問はあるだろう。更衣として内裏におられたころはそれほど評判になるような方ではなかったが、やはり優れた方だったのだろうね。未亡人になられた女二の宮様のお世話もしっかりなさっていたと聞く。立派な人ほど早く亡くなってしまうものだな。
そんな方だから上皇様もお悲しみのはずだ。内親王の母君でいらっしゃるのだしね。女二の宮様のことは、こちらにいらっしゃる女三の宮様の次にかわいがっておられた。お人柄のよい宮様なのだろう」
「どのような宮様かは存じませんが、御息所は欠点のない方のようにお見受けいたしました。もちろん親しくさせていただくことはございませんでしたでしたが、ちょっとしたことでもお人柄というものは表れてまいりますので」
宮様のことは話題になさらない。
<この男が決めたのなら、私が意見したところで聞かないだろう。正論を言っても無駄だ>
源氏の君は見守るしかないとお諦めになった。



