源氏の君も大将様と女二の宮様の噂をお聞きになった。
<これまで何の問題も起こさない落ち着いた男だったのに。父親の私に似ず、一途に妻を守っていることを誇りに思っていた。正妻にとっても女二の宮様にとっても心苦しいことになる。
宮様は大将の正妻の兄の妻だった人なのだから、正妻の父である元太政大臣はどうお思いになることか。そのくらいのことに気がつかない男でもないだろうに。運命からは逃れられないということなのだな。とにもかくにも私が口をはさむことではあるまい>
大将様の世間体よりも、ふたりの女性のお立場を心配なさってお嘆きになる。
「夫を亡くした女性というのは、他の男に言い寄られて世間の噂になりやすい。あなたは大丈夫だろうか」
と紫の上を心配なさる。
<私が未亡人の暮らしに耐えられるとお思いなのかしら。源氏の君がお亡くなりになったら、すぐにあとを追って死んでしまうでしょうに>
お顔を赤らめて恥ずかしそうになさってから、明石の女御様がお生みになった女一の宮様のことをお考えになる。
<女の人生は窮屈だ。世間が華やかに盛り上がっていても、表立って混ざることはできない。女だって自分の考えや好みはあるのに、ただおとなしくしていたら何も楽しくない。大切に育てた親も、娘のそんな姿を見るのは悔しいのではないか。自分の意見を心にしまって埋もれていくのはつまらないが、そのなかでも心を穏やかに保っていく必要がある。私とてそんな器用なことができているかどうか>
女として生きるお心構えを、幼い女一の宮様にどのようにお教えするべきかお悩みになる。
<これまで何の問題も起こさない落ち着いた男だったのに。父親の私に似ず、一途に妻を守っていることを誇りに思っていた。正妻にとっても女二の宮様にとっても心苦しいことになる。
宮様は大将の正妻の兄の妻だった人なのだから、正妻の父である元太政大臣はどうお思いになることか。そのくらいのことに気がつかない男でもないだろうに。運命からは逃れられないということなのだな。とにもかくにも私が口をはさむことではあるまい>
大将様の世間体よりも、ふたりの女性のお立場を心配なさってお嘆きになる。
「夫を亡くした女性というのは、他の男に言い寄られて世間の噂になりやすい。あなたは大丈夫だろうか」
と紫の上を心配なさる。
<私が未亡人の暮らしに耐えられるとお思いなのかしら。源氏の君がお亡くなりになったら、すぐにあとを追って死んでしまうでしょうに>
お顔を赤らめて恥ずかしそうになさってから、明石の女御様がお生みになった女一の宮様のことをお考えになる。
<女の人生は窮屈だ。世間が華やかに盛り上がっていても、表立って混ざることはできない。女だって自分の考えや好みはあるのに、ただおとなしくしていたら何も楽しくない。大切に育てた親も、娘のそんな姿を見るのは悔しいのではないか。自分の意見を心にしまって埋もれていくのはつまらないが、そのなかでも心を穏やかに保っていく必要がある。私とてそんな器用なことができているかどうか>
女として生きるお心構えを、幼い女一の宮様にどのようにお教えするべきかお悩みになる。



