野いちご源氏物語 三八 夕霧(ゆうぎり)

ご自宅にじっとしていられなくて、大将(たいしょう)様は小野(おの)にお見舞いにいかれる。
四十九日(しじゅうくにち)が過ぎたころにのんびりお訪ねしよう>とお思いになっていたけれど、それまで我慢できず、早めに行かれたの。
雲居(くもい)(かり)にとくに言い訳はなさらない。

<世間ではすでに(うわさ)になっている。今さら遠慮する必要もないだろう。ただ世間のふつうの男のように、思いどおりにふるまうだけだ。(みや)様が拒否なさったとしても、こちらには御息所(みやすんどころ)のお手紙がある。宮様と私が深い関係になったと思い込んで書かれたらしいから、御息所が私たちの結婚をお認めになったと言えなくもない。それを理由にご説得申し上げれば折れてくださるだろう>
自信を持って(おんな)()の宮様のもとへ向かわれる。