野いちご源氏物語 三八 夕霧(ゆうぎり)

すぐにあちこちから弔問(ちょうもん)のお使者(ししゃ)がやって来る。
大将(たいしょう)様もびっくりなさって、すぐにお使者をお(つか)わしになった。
源氏(げんじ)(きみ)からも、亡き衛門(えもん)(かみ)様の父君(ちちぎみ)からもお使者が来る。
入道(にゅうどう)上皇(じょうこう)様のお耳にも入って、(おんな)()(みや)様のためにお手紙をお書きになった。
泣き()していらっしゃった宮様も、(ちち)上皇(じょうこう)様からのお手紙だけはご覧になる。
「重病と聞いてはいましたが、病気がちな人だったからそれほどとは思っていませんでした。(なげ)いても仕方がないこととはいえ、あなたの悲しむ姿を想像すると胸が痛みます。これが寿命(じゅみょう)だったのだと思って心を落ち着かせなさい」
とある。
涙でお目も見えないけれど、どうにかお返事をお書きになった。