<いや、このお手紙だけではまだ分からない。私がちくりと申し上げて、大将様のご本心をお聞きしよう>
見えにくくなったお目と震えるお手で、どうにかお返事を書いていかれる。
「宮様がご病室にお越しのときにお手紙が届きましたから、お返事を差し上げるようお勧めいたしましたが、ひどく沈みこんでいらっしゃいます。見かねて私からお返事いたします。宮様をどなたとお思いですか。尊い内親王とお分かりになった上で、一晩だけお泊まりになったのですか」
それだけお書きになると、女房に渡してお倒れになった。
激しくお苦しみになる。
「今日のお具合が比較的よかったのは妖怪がわざと油断させていただけか」と女房たちはあわて騒ぐ。
僧侶たちが大声でお祈りを始める。
「宮様、早くお部屋にお戻りください」
女房たちが口々に申し上げるけれど、宮様は御息所のおそばを離れようとなさらない。
もう生きているのが嫌で、一緒に死んでしまおうと思っておられるの。
見えにくくなったお目と震えるお手で、どうにかお返事を書いていかれる。
「宮様がご病室にお越しのときにお手紙が届きましたから、お返事を差し上げるようお勧めいたしましたが、ひどく沈みこんでいらっしゃいます。見かねて私からお返事いたします。宮様をどなたとお思いですか。尊い内親王とお分かりになった上で、一晩だけお泊まりになったのですか」
それだけお書きになると、女房に渡してお倒れになった。
激しくお苦しみになる。
「今日のお具合が比較的よかったのは妖怪がわざと油断させていただけか」と女房たちはあわて騒ぐ。
僧侶たちが大声でお祈りを始める。
「宮様、早くお部屋にお戻りください」
女房たちが口々に申し上げるけれど、宮様は御息所のおそばを離れようとなさらない。
もう生きているのが嫌で、一緒に死んでしまおうと思っておられるの。



