こんな内緒のお出かけは慣れていらっしゃらないので、おもしろくも不安にもお思いになる。
まっすぐご自宅の三条邸にお帰りになれば、お着物が濡れていることをご正妻にあやしまれるだろうから、六条の院にお行きになる。
夏の御殿には養母の花散里の君がいらっしゃる。
そこに泊まっていたことになさるおつもりなのね。
まだ朝の霧は晴れない。
先ほどまでいらっしゃった小野の別荘のあたりはどれほどだろうかとご想像なさる。
「めずらしい朝帰りをなさったのね」
女房たちがひそひそ話している。
少し休憩されてからお着替えなさった。
花散里の君は面倒見のよい養母で、いつでも大将様のお着物をご用意しておられるの。
よい香りをつけてあるお着物がすぐに出てくる。
それからご朝食を召し上がって、春の御殿の源氏の君にご挨拶に上がられた。
まっすぐご自宅の三条邸にお帰りになれば、お着物が濡れていることをご正妻にあやしまれるだろうから、六条の院にお行きになる。
夏の御殿には養母の花散里の君がいらっしゃる。
そこに泊まっていたことになさるおつもりなのね。
まだ朝の霧は晴れない。
先ほどまでいらっしゃった小野の別荘のあたりはどれほどだろうかとご想像なさる。
「めずらしい朝帰りをなさったのね」
女房たちがひそひそ話している。
少し休憩されてからお着替えなさった。
花散里の君は面倒見のよい養母で、いつでも大将様のお着物をご用意しておられるの。
よい香りをつけてあるお着物がすぐに出てくる。
それからご朝食を召し上がって、春の御殿の源氏の君にご挨拶に上がられた。



