天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


(このデザインはエリカの好みなのだろうな……)

 私はルピナを見た。ルピナは痛々しい顔で俯いている。こんなやりとりは見たくない、そんな様子だ。

 杖に視線を戻し、まじまじと見る。

「柄には、月桂樹とエリカの花が彫られているんだな」

「ああ、オレたちの友情の証しだ!」

「そうです! どこにいても私たちは一緒だと感じてほしくて」

「友情の証し……」

 私はその彫刻を見て、特別寝台列車アスターの装飾を思い出していた。