天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


(ローもこれを見たら愛想を尽かす? 見放されてしまう?)

 恐怖で体がガタガタと震えてくる。

(怖い、怖い、怖い。ひとりぼっちはもう嫌! 怖い!!)

 ローレンス殿下は泥にまみれるのも厭わずに私の前に跪いた。

「そうだな。エリカ。シオンのことは私利私欲じゃない」

「ロー……」

 その姿に私は胸を打たれる。

「大丈夫だ。エリカ、心配するな。これは君のせいじゃないよ」

 ローレンス殿下は泣きじゃくる私の背を、ユックリとユックリと撫でた。