「婚約記念パーティーか……」
シオン様の声が低くなる。
やはり、エリカの婚約記念パーティーなど見たくはないのだろう。
「行くのか?」
シオン様はしかめっ面で私に尋ねた。
「さすがに国王陛下の紋章の入った招待状です。無碍にはできなくて……。でも、シオン様が行きたくないのであれば、私ひとりで行きますのでご心配なく!」
私が言うと、シオン様は目を大きく見開いた。
「私のことを気にしてくれていたのか?」
「え、ええ。気分が乗らないようでしたので」
「いや、私はルピナが嫌だと思ったのだ。……その、婚約破棄をした相手を祝福するのは気まずいだろう?」
シオン様に問われ、ジーンとする。契約上の妻にまで、こんな配慮を見せるとはさすがのシオン様だ。なんて優しさだろう。
「私なんぞの心配を!? 恐れ多い! いえ、私はローレンス殿下のことはこれーっぽっちも気にしておりませんの! だからご心配はいりませんわ」
「そうか。ルピナが気にならないのであれば私も一緒に出席しよう」
シオン様の答えに私は驚いた。
「……あの……いいんですの?」
「ああ、夫なら当然だ。私にエスコートをさせてくれ」
はにかみ微笑む姿にキュンとする。
「もったいないお言葉、恐悦至極に存じます」
私が思わず口走ると、シオン様は小さく吹き出した。



