2030→2024 渋谷スクランブル交差点で二人が出会うまでの物語

【登場人物】2025年時点
※全て架空の団体、架空の技術です

🟥結月美咲(26)

■勤務先
株式会社クロノワークス

■部署
R&D本部(Research & Development)
AI未来予測プロジェクトチーム

■役職
ジュニア・リサーチエンジニア

■仕事内容
・未来予測AI「LYNX(リンクス)」のコアアルゴリズム開発
・時系列データ解析、社会シミュレーションモデリング
・ベータ版開発と機密運用(社内テスト含む)
・政府および民間からの未来シナリオ依頼への対応

◾️学歴
東都未来大学(MARCH相当をイメージ)
情報未来学部 データサイエンス学科
予測システム研究ゼミ(指導教官:篠原教授)
・ゼミでは、気象データや交通データを使って「未来予測モデル」の研究をしている。
・美咲は統計や機械学習だけじゃなく、「人間の行動は数字だけでは測れない」という視点で、非合理性をモデル化するアプローチを試みていた。
・これが後にLYNXの「感情のゆらぎ」につながる。

◾️ 卒論テーマ
「行動選択における非合理性と感情のゆらぎ:SNS投稿データを用いた数理モデルの試行」
①ポイント
・行動経済学 + データサイエンス
 「人は合理的に判断しているようで、実際は感情や状況によって大きく揺れる」という行動経済学の理論をベースに。
・SNSデータ活用
 当時はオープンデータやTwitter APIなどを活用し、感情語(ポジティブ/ネガティブ)と行動(買い物や出かける選択)の相関を調べた。
②結果
 完全に因果を証明できたわけではないが、「気分の浮き沈みが選択を左右する」ことをデータで示し、既存の予測モデルに感情パラメータを加える有効性を指摘。
③位置づけ
 まだ「提案段階」でしかないが、この研究姿勢がクロノワークスに評価され、採用の決め手になった。
 そして後にLYNXの「感情のゆらぎパラメーター」の原型になる。


🔷一ノ瀬悠真(28)

■ 勤務先
株式会社セレスティア(CELESTIA Inc.)
日本屈指の大手広告代理店。クリエイティブに強く、グローバル展開している外資系の影響も色濃い独立系企業。

■ 役職
クリエイティブ・ディレクター

■ 仕事内容
・高級ブランド「KAI」のグローバル広告キャンペーンの総合ディレクション
・CMコンセプト立案、ストーリーボード制作、演出・キャスティング監修
・デジタル広告・OOH(屋外広告など)・SNS展開までを統括
・クライアントへのプレゼン、国内外の撮影現場監督、社内ディレクターやデザイナーのマネジメント
・若手の育成や審査員としての活動も(広告賞など)

■ 学歴
慶陽大学(早慶レベルをイメージ)
総合文化政策学部 メディア表現学科
映像コミュニケーション研究ゼミ(指導教官:真壁准教授)
・メディア系の学科で、映像・広告・文化政策を横断的に学ぶことができる。
・ゼミは「映像を通じた社会的メッセージの伝達」がテーマ。
・悠真は学生時代からショートムービー制作や広告コンペに出ていて、クリエイティブのセンスを発揮。
・在学中に映像広告のコンテストで入賞経験があり、それが現在の広告代理店での仕事に直結している。
※在学中に1年間ロンドン芸術大学(UAL)に短期留学

◾️ 卒論テーマ
「短編映像広告における情緒的訴求の効果:30秒型と90秒型の比較分析」

①研究背景
・従来の広告研究は「商品情報をどれだけ伝えるか」という情報量に焦点が当たりがちだった。
・しかし近年の動画広告は、情報よりも「心を動かす映像体験」にシフトしている。
・特にWeb動画広告やSNS広告は「短い時間で人を惹きつけ、共有したくなる感情的フック」が重要視されている。

②研究目的
・映像の長さ(30秒 / 90秒)が、視聴者の感情喚起や購買意欲にどう影響するかを比較検証する。
・「短さゆえの余韻」VS「長さによる物語性」の効果をデータで示す。

③研究方法
1.悠真自身が制作した2種類の短編映像広告(同じ商品を題材にした30秒版と90秒版)を用意。
•商品例:化粧品、飲料、就活サービスなど「ターゲットに感情移入させやすいもの」を題材に選定。
2.被験者(大学生・20代社会人100人程度)に視聴させ、アンケート調査。
•記憶に残ったシーン
•感情の喚起度(ワクワク/共感/感動など)
•購買・利用意欲の有無
3.結果を統計的に比較分析。

④結果・考察
•30秒版:
→ 「テンポがよくて飽きない」「印象的なシーンが残る」=シェア拡散に向いている。
•90秒版:
→ 「ストーリー性があり共感した」「泣きそうになった」=ブランド好意度・ロイヤリティ向上に効果。
•考察:
→ 広告の目的(即効性か、ブランド浸透か)によって最適な長さが変わることを提示。

⑤結論
•情報量よりも「映像のリズムと感情の設計」が購買意欲に直結する。
•広告クリエイターは「時間の長さ」を単なる尺の制約とせず、視聴者の感情曲線を設計するツールとして使うべき。

⑥ポイント
•「映像実作+分析」の卒論。
•学術的に洗練されているわけではないけれど、実験的で就活のアピールにもなりそう。
•面接で「実際に自分で広告を作り、効果測定までやった」と語れるので、広告代理店からも「面白い学生」と評価された。