「なんだか知らない過去に振り回されるっていうのも嫌ですね」
「本当にね」
「過去と言えば……LYNXリリース直後くらいの話しなんですけど。だから一ノ瀬さんと、その、色々あった頃だと思うんですけど」
話したからどうなるでもないのに、聞いて欲しかった。
「私、元彼とヨリを戻したらしくて…」
「元彼と?……そうか、だから俺は振られたのかな」
ただヨリを戻したんじゃない。一ノ瀬さんを振ってヨリを戻してるんだから信じられない話しだ。
「でも、私からしてみたらヨリを戻したというのがあり得ない話しなんで……すっっごく無理だと思うことがあって、嫌で別れたので今でも二度と会いたくない人No. 1です」
「彼の何か同情するような事情を知った、とか」
私は頭を振った。
「ないです。何を聞いても多少同情したとしても私の知ったことじゃないです。存在を思い出すだけで不愉快になってきました」
「いつ別れたの?って聞いてもいい?」
「終戦記念日だから覚えてるんですけど、タイムリープした日のちょうど一年前に知り合って、でも嫌なことがあって耐えられず……、すぐ別れました」
「2024年か…LYNXリリースは2027年…」
「あっ、LYNXと言えば、交差点でのことを色々調べていた時に驚く事をLYNXに言われたんですけど……
タイムリープした日ですけど、もしも私が定時出社していたらってLYNXに聞いたら、その人が会社の前で待ち伏せしていたらしくて、遭遇して不快度MAXだっただろうってLYNXに言われたんです」
「とはいえ、何かあってその気持ちが変わったはず……なんてことはなさそうだね」
私がしかめ面をしたから一ノ瀬さんは言葉尻を変えた。
「知りようのないことなのに、もう自分を軽蔑して、嫌でたまらない気分になります」
なんで付き合ったんだろう、どう別れたんだろう。知ろうと思えば答えはすぐ手に入るはず。ただ、それをどう聞けというのか──自分のことなのに。
忘れようもないはずのことを。
「一応聞くけど、彼は今は?」
考えたこともなかった。
「今の私の周りに影を感じないので、円満に別れたのかなと思ってますけど……」
「そっか……、もし何か怖いことあったらすぐ呼んで、深夜でも走れば10分くらいで行けるから」
「はい……ありがとうございます」
一ノ瀬さんに知られたくない。こんなに優しい人に失望されたくない。どうしてあの男がそんなに嫌なのか、別れた理由でもあるけど、言いたくない。
自分でも思い出したくもない。
──私は目を閉じて、嫌な記憶を頭から追い払った。
「本当にね」
「過去と言えば……LYNXリリース直後くらいの話しなんですけど。だから一ノ瀬さんと、その、色々あった頃だと思うんですけど」
話したからどうなるでもないのに、聞いて欲しかった。
「私、元彼とヨリを戻したらしくて…」
「元彼と?……そうか、だから俺は振られたのかな」
ただヨリを戻したんじゃない。一ノ瀬さんを振ってヨリを戻してるんだから信じられない話しだ。
「でも、私からしてみたらヨリを戻したというのがあり得ない話しなんで……すっっごく無理だと思うことがあって、嫌で別れたので今でも二度と会いたくない人No. 1です」
「彼の何か同情するような事情を知った、とか」
私は頭を振った。
「ないです。何を聞いても多少同情したとしても私の知ったことじゃないです。存在を思い出すだけで不愉快になってきました」
「いつ別れたの?って聞いてもいい?」
「終戦記念日だから覚えてるんですけど、タイムリープした日のちょうど一年前に知り合って、でも嫌なことがあって耐えられず……、すぐ別れました」
「2024年か…LYNXリリースは2027年…」
「あっ、LYNXと言えば、交差点でのことを色々調べていた時に驚く事をLYNXに言われたんですけど……
タイムリープした日ですけど、もしも私が定時出社していたらってLYNXに聞いたら、その人が会社の前で待ち伏せしていたらしくて、遭遇して不快度MAXだっただろうってLYNXに言われたんです」
「とはいえ、何かあってその気持ちが変わったはず……なんてことはなさそうだね」
私がしかめ面をしたから一ノ瀬さんは言葉尻を変えた。
「知りようのないことなのに、もう自分を軽蔑して、嫌でたまらない気分になります」
なんで付き合ったんだろう、どう別れたんだろう。知ろうと思えば答えはすぐ手に入るはず。ただ、それをどう聞けというのか──自分のことなのに。
忘れようもないはずのことを。
「一応聞くけど、彼は今は?」
考えたこともなかった。
「今の私の周りに影を感じないので、円満に別れたのかなと思ってますけど……」
「そっか……、もし何か怖いことあったらすぐ呼んで、深夜でも走れば10分くらいで行けるから」
「はい……ありがとうございます」
一ノ瀬さんに知られたくない。こんなに優しい人に失望されたくない。どうしてあの男がそんなに嫌なのか、別れた理由でもあるけど、言いたくない。
自分でも思い出したくもない。
──私は目を閉じて、嫌な記憶を頭から追い払った。



