姫宮様はちょうどその日の夕方から産気づかれた。
女房たちがあわてて源氏の君にお知らせすると、驚いてお部屋へお越しになる。
<本当に私の子だったら、めずらしくてうれしかったのに。しかしそれを態度に出すわけにはいかない>
僧侶に安産のお祈りをおさせになる。
一晩中お苦しみになって、夜明けごろ男のお子がお生まれになった。
<男では屋敷の奥深くに隠しておくわけにもいかない。衛門の督に似ていると気づかれてしまうのではないか。いやしかし、世話が大変な姫でなくてかえってよかったとも言える。
それにしても、わざわざ男の子が生まれたのは私が犯した罪への罰なのだろう。入道の宮様との間に男の子が生まれ、そちらは帝の皇子として育てられた。今、衛門の督の息子が私の子として生まれ、これから私が育てていく。この世で思いがけない罰を受けるのだから、来世に背負っていく罪は少し軽くなるだろう>
女房たちがあわてて源氏の君にお知らせすると、驚いてお部屋へお越しになる。
<本当に私の子だったら、めずらしくてうれしかったのに。しかしそれを態度に出すわけにはいかない>
僧侶に安産のお祈りをおさせになる。
一晩中お苦しみになって、夜明けごろ男のお子がお生まれになった。
<男では屋敷の奥深くに隠しておくわけにもいかない。衛門の督に似ていると気づかれてしまうのではないか。いやしかし、世話が大変な姫でなくてかえってよかったとも言える。
それにしても、わざわざ男の子が生まれたのは私が犯した罪への罰なのだろう。入道の宮様との間に男の子が生まれ、そちらは帝の皇子として育てられた。今、衛門の督の息子が私の子として生まれ、これから私が育てていく。この世で思いがけない罰を受けるのだから、来世に背負っていく罪は少し軽くなるだろう>



