父君の元太政大臣様は、病気を回復させる力があるという僧侶をいろいろとお集めになる。
普段は山奥で修行しているような荒々しい僧侶も、藁にもすがる思いでお招きになる。
「女の妖怪が憑りついています」
と占い師は父君に申し上げるけれど、具体的に誰かは分からないみたい。
新しくやって来た僧侶は、背が高く、いかにも効き目のありそうな迫力のある声でお経を読みはじめた。
「あぁ嫌だ、私は生まれつき罪深い人間なのだろう。ありがたいお経のはずなのに、私にはとても恐ろしく聞こえる。こんなものを聞いていたらかえって死期が早まってしまう」
小侍従の控えている部屋へこっそりお行きになった。
普段は山奥で修行しているような荒々しい僧侶も、藁にもすがる思いでお招きになる。
「女の妖怪が憑りついています」
と占い師は父君に申し上げるけれど、具体的に誰かは分からないみたい。
新しくやって来た僧侶は、背が高く、いかにも効き目のありそうな迫力のある声でお経を読みはじめた。
「あぁ嫌だ、私は生まれつき罪深い人間なのだろう。ありがたいお経のはずなのに、私にはとても恐ろしく聞こえる。こんなものを聞いていたらかえって死期が早まってしまう」
小侍従の控えている部屋へこっそりお行きになった。



