衛門の督様は弟君たちはもちろん、ご姉妹からも懐かれていらっしゃる。
大将様のご正妻の雲居の雁や、玉葛の君もご病気を嘆いて、お祈りをおさせになっていた。
女二の宮様にはついにお会いになることなく、泡が消えるようにお亡くなりになった。
宮様は亡き夫君を嫌ったり恨んだりはなさっていない。
たしかにご愛情は薄かったけれど、表面上は十分大切にしてくださったのだもの。
それに、お優しくて風流で、皇女に対する礼儀を忘れない方だった。
ただ、
<短命の運命だったから世の中をつまらなそうにしておられたのだろうか>
と悲しくお思いになる。
母御息所は若くして未亡人になってしまわれた宮様の世間体を気にしてお嘆きになる。
ご両親のお嘆きはどなたよりも深い。
<年老いた私が先に死ぬべきだったのに、どうして>
おつらくて、もう一度会いたいと願われるけれどどうしようもない。
ご出家なさった女三の宮様は、長生きしてほしいなどとは思っておられなかったけれど、さすがに亡くなったと聞けば悲しくお思いになる。
<お腹の子の父親は自分だとずいぶん自信を持っているようだったけれど、短命に終わる予感があったのかもしれない。それで生き急いで無茶をして、この恋で何かを残せたと信じたかったのだろう>
若君は本当の父親の顔も知らないまま育っていかれる。
そのご将来が心配でお泣きになる。
大将様のご正妻の雲居の雁や、玉葛の君もご病気を嘆いて、お祈りをおさせになっていた。
女二の宮様にはついにお会いになることなく、泡が消えるようにお亡くなりになった。
宮様は亡き夫君を嫌ったり恨んだりはなさっていない。
たしかにご愛情は薄かったけれど、表面上は十分大切にしてくださったのだもの。
それに、お優しくて風流で、皇女に対する礼儀を忘れない方だった。
ただ、
<短命の運命だったから世の中をつまらなそうにしておられたのだろうか>
と悲しくお思いになる。
母御息所は若くして未亡人になってしまわれた宮様の世間体を気にしてお嘆きになる。
ご両親のお嘆きはどなたよりも深い。
<年老いた私が先に死ぬべきだったのに、どうして>
おつらくて、もう一度会いたいと願われるけれどどうしようもない。
ご出家なさった女三の宮様は、長生きしてほしいなどとは思っておられなかったけれど、さすがに亡くなったと聞けば悲しくお思いになる。
<お腹の子の父親は自分だとずいぶん自信を持っているようだったけれど、短命に終わる予感があったのかもしれない。それで生き急いで無茶をして、この恋で何かを残せたと信じたかったのだろう>
若君は本当の父親の顔も知らないまま育っていかれる。
そのご将来が心配でお泣きになる。



