大将様もご親友のご病気を嘆いて、しょっちゅうお見舞いにいらっしゃっている。
ご昇進のお祝いにも真っ先にお越しになった。
起き上がることもできないようなご容態だから、格好も整えずお会いするわけにはと遠慮なさる。
でも、今お会いになっておかなければ、もう会えないかもしれないの。
「恐縮ですが病室にお入りください。乱れた姿でおりますことはどうか大目に見ていただければ」
と、枕もとにお招きになった。
幼いころから何の遠慮もなく仲良くしていらっしゃった従兄弟同士なので、お互いに恋しく思うお気持ちは親兄弟にも劣らない。
「どうしてそんなに弱々しくなってしまわれたのです。今日はご昇進をおよろこびになって、少しはご体調もよくなられたかと思っておりましたのに」
ついたてをずらしてご病床のお顔をご覧になる。
「面影もないほどやせてしまったでしょう」
少し苦笑しながら起き上がろうとなさるけれど、とてもお苦しそうなの。
ご病室とはいえすっきりと美しく、よい香りのお香が焚かれている。
こんなときのこんなところにも風流を好まれるお人柄がにじみ出るのね。
重病で寝たきりになると、髪や髭がぼさぼさになってむさくるしくなるのが普通だけれど、衛門の督様は逆よ。
やせて、お肌はますます白く上品におなりになった。
枕にもたれかかるようにして話されるご様子は、息も絶え絶えでお苦しそうでいらっしゃる。
ご昇進のお祝いにも真っ先にお越しになった。
起き上がることもできないようなご容態だから、格好も整えずお会いするわけにはと遠慮なさる。
でも、今お会いになっておかなければ、もう会えないかもしれないの。
「恐縮ですが病室にお入りください。乱れた姿でおりますことはどうか大目に見ていただければ」
と、枕もとにお招きになった。
幼いころから何の遠慮もなく仲良くしていらっしゃった従兄弟同士なので、お互いに恋しく思うお気持ちは親兄弟にも劣らない。
「どうしてそんなに弱々しくなってしまわれたのです。今日はご昇進をおよろこびになって、少しはご体調もよくなられたかと思っておりましたのに」
ついたてをずらしてご病床のお顔をご覧になる。
「面影もないほどやせてしまったでしょう」
少し苦笑しながら起き上がろうとなさるけれど、とてもお苦しそうなの。
ご病室とはいえすっきりと美しく、よい香りのお香が焚かれている。
こんなときのこんなところにも風流を好まれるお人柄がにじみ出るのね。
重病で寝たきりになると、髪や髭がぼさぼさになってむさくるしくなるのが普通だけれど、衛門の督様は逆よ。
やせて、お肌はますます白く上品におなりになった。
枕にもたれかかるようにして話されるご様子は、息も絶え絶えでお苦しそうでいらっしゃる。



