何度もご説得なさっているうちに夜明け近くになった。
明るくなってからお寺にお帰りになっては人目につくから、上皇様は姫宮様のお髪を切るご決断をなさった。
お美しい盛りの黒髪が短くなっていく。
ご出家の儀式の間、源氏の君は悲しくて惜しくてひどくお泣きになる。
上皇様もおつらい。
たくさんの姫宮様たちのなかで、女三の宮様を一番かわいがっておられたのだもの。
誰よりも幸せにしてあげたいと思っていらした宮様を、ご自分のお手で尼にするなんて、どれほどお悔しいことだったでしょうね。
「悲しいお姿だけれど、あなたのご希望どおりなのだから、きちんと養生なさるのですよ。早く元気になってお経をお読みなさい」
優しくお声をおかけになると、夜が明けてしまう前にご出発なさる。
明るくなってからお寺にお帰りになっては人目につくから、上皇様は姫宮様のお髪を切るご決断をなさった。
お美しい盛りの黒髪が短くなっていく。
ご出家の儀式の間、源氏の君は悲しくて惜しくてひどくお泣きになる。
上皇様もおつらい。
たくさんの姫宮様たちのなかで、女三の宮様を一番かわいがっておられたのだもの。
誰よりも幸せにしてあげたいと思っていらした宮様を、ご自分のお手で尼にするなんて、どれほどお悔しいことだったでしょうね。
「悲しいお姿だけれど、あなたのご希望どおりなのだから、きちんと養生なさるのですよ。早く元気になってお経をお読みなさい」
優しくお声をおかけになると、夜が明けてしまう前にご出発なさる。



