小柄な弱々しいお体で、初めての出産などという恐ろしい体験をなさったから、姫宮様はお薬湯もお口にできないほどでいらっしゃる。
源氏の君に背いた証拠が目の前に現れたことがおつらく、
<このついでに死んでしまいたい>
とお思いになる。
源氏の君は人目につくところでは若君を大切になさるけれど、人目がなければちらりともご覧にならない。
年老いた女房などは、源氏の君がお帰りになったあとで文句を言う。
「ずいぶんご冷淡なこと。おふたりしかお子がいらっしゃらなかったところへお生まれになった若君で、しかもこんなにお美しいのに」
姫宮様はよけいに苦しくなってしまわれる。
<これからはますます私を遠ざけなさるだろう>
恨めしくてつらくて、<尼になってしまおう>と考えつかれた。
源氏の君に背いた証拠が目の前に現れたことがおつらく、
<このついでに死んでしまいたい>
とお思いになる。
源氏の君は人目につくところでは若君を大切になさるけれど、人目がなければちらりともご覧にならない。
年老いた女房などは、源氏の君がお帰りになったあとで文句を言う。
「ずいぶんご冷淡なこと。おふたりしかお子がいらっしゃらなかったところへお生まれになった若君で、しかもこんなにお美しいのに」
姫宮様はよけいに苦しくなってしまわれる。
<これからはますます私を遠ざけなさるだろう>
恨めしくてつらくて、<尼になってしまおう>と考えつかれた。



