野いちご源氏物語 三四 若菜(わかな)下

ご体調の悪さに()えられなくて、会の途中で退出なさった。
ふらふらする頭でお考えになる。
<それほど()っているわけでもないのに、これはどうしたことだ。源氏(げんじ)(きみ)を怖れるあまり体がおかしくなったのだろうか。(われ)ながらこれほど気が弱いとは思っていなかった。情けない>

やっとのことでご正妻(せいさい)のお屋敷にお帰りになる。
一晩お休みになってもご体調は変わらず、むしろひどくなって寝込んでしまわれた。
ご両親が心配なさって、ご実家の元太政(だいじょう)大臣(だいじん)邸へ引き取ることになさる。
ご心配なのはご正妻だって同じなのだけれど。