これまで姫宮様は、源氏の君の訪れがなくても、
<そういう冷たい方なのだ>
とお思いになるだけだったのに、今はご自分のせいだとつらくなってしまわれる。
<源氏の君が父君にご報告なさったら、父君はどうお思いになるだろう>
と恥ずかしくて仕方がなくていらっしゃる。
衛門の督様はあれからも熱心なお手紙を送ってこられるから、困りきった小侍従は事情をお話しした。
<いったいいつそんなことになったのだ。証拠がないままだんだんあやしまれるというのも恐ろしいが、はっきりとした証拠の手紙をご覧になってしまわれたのか。恥ずかしくて申し訳なくて恐ろしい。子どものころから公私ともにかわいがってくださったお優しい方なのに、失礼な身の程知らずと思われては、もう目も合わせられない。かといって完全に交流をなくしてしまったら世間があやしむだろうし、源氏の君も『やはりそうだったか』とお思いになるだろう>
ご気分が悪くなって内裏にもお上がりになれない。
なんだか死んでしまいそうな気がなさる。
<たしかに落ち着いた慎み深い感じはしない方だった。簾がめくれあがったくらいでお姿を拝見できてしまったのも、そういうご性格のせいだろう。あのとき私は感動しているだけだったが、大将は姫宮様を軽率だと思っているようだった>
やっと姫宮様の欠点にお気づきになる。
もしかしたら姫宮様を諦めるためにわざと欠点を探していらっしゃるのかもしれないけれど。
<あまりにおっとりとした上品な人は、世間知らずで他人を疑うことをしない。それで尊いご自身のことも周りのことも傷つけるのだ>
そのように生まれつかれた姫宮様のことをお気の毒だと思うと、完全に恋を捨て去ることはおできにならない。
<そういう冷たい方なのだ>
とお思いになるだけだったのに、今はご自分のせいだとつらくなってしまわれる。
<源氏の君が父君にご報告なさったら、父君はどうお思いになるだろう>
と恥ずかしくて仕方がなくていらっしゃる。
衛門の督様はあれからも熱心なお手紙を送ってこられるから、困りきった小侍従は事情をお話しした。
<いったいいつそんなことになったのだ。証拠がないままだんだんあやしまれるというのも恐ろしいが、はっきりとした証拠の手紙をご覧になってしまわれたのか。恥ずかしくて申し訳なくて恐ろしい。子どものころから公私ともにかわいがってくださったお優しい方なのに、失礼な身の程知らずと思われては、もう目も合わせられない。かといって完全に交流をなくしてしまったら世間があやしむだろうし、源氏の君も『やはりそうだったか』とお思いになるだろう>
ご気分が悪くなって内裏にもお上がりになれない。
なんだか死んでしまいそうな気がなさる。
<たしかに落ち着いた慎み深い感じはしない方だった。簾がめくれあがったくらいでお姿を拝見できてしまったのも、そういうご性格のせいだろう。あのとき私は感動しているだけだったが、大将は姫宮様を軽率だと思っているようだった>
やっと姫宮様の欠点にお気づきになる。
もしかしたら姫宮様を諦めるためにわざと欠点を探していらっしゃるのかもしれないけれど。
<あまりにおっとりとした上品な人は、世間知らずで他人を疑うことをしない。それで尊いご自身のことも周りのことも傷つけるのだ>
そのように生まれつかれた姫宮様のことをお気の毒だと思うと、完全に恋を捨て去ることはおできにならない。



