紫の上と離れて六条の院へ行くのはお気が進まないけれど、帝や入道の上皇様がどう思われるか気がかりでお出かけになる。
姫宮様は衛門の督様とのことが申し訳なくて、源氏の君がお話しかけになってもお返事をなさらない。
<ちっともこちらに伺わなかったから、つらく思っていらっしゃるのだろう>
とお気の毒で、あれこれお慰めになる。
女房を呼んでどんなご病気なのかお尋ねになる。
「ご懐妊なさっているのでございます」
源氏の君は驚いて、
「なんと。めずらしいことだ」
とだけおっしゃる。
<長年一緒にいた女君たちとの間にも、ここ二十年近くそのようなことはなかったのに>
もしかしたら勘違いの可能性もあるから、はっきりと具体的なお話はなさらず、ただご体調を気遣われる。
いつも以上に弱々しいご様子が可憐だとお思いになるの。
さっさと二条の院にお帰りになるわけにもいかず、二、三日お泊まりになる。
でも紫の上のことが心配で、しょっちゅうお手紙をお書きになっている。
「ほんの少しの間でどうしてそんなにおっしゃりたいことが出てくるのでしょうね。姫宮様がご懐妊なさってもこれでは、まったく失礼で不安だこと」
姫宮様の過ちを知らない女房たちはただ源氏の君をお恨みする。
小侍従だけはひやひやしながら成り行きを見守っていた。
姫宮様は衛門の督様とのことが申し訳なくて、源氏の君がお話しかけになってもお返事をなさらない。
<ちっともこちらに伺わなかったから、つらく思っていらっしゃるのだろう>
とお気の毒で、あれこれお慰めになる。
女房を呼んでどんなご病気なのかお尋ねになる。
「ご懐妊なさっているのでございます」
源氏の君は驚いて、
「なんと。めずらしいことだ」
とだけおっしゃる。
<長年一緒にいた女君たちとの間にも、ここ二十年近くそのようなことはなかったのに>
もしかしたら勘違いの可能性もあるから、はっきりと具体的なお話はなさらず、ただご体調を気遣われる。
いつも以上に弱々しいご様子が可憐だとお思いになるの。
さっさと二条の院にお帰りになるわけにもいかず、二、三日お泊まりになる。
でも紫の上のことが心配で、しょっちゅうお手紙をお書きになっている。
「ほんの少しの間でどうしてそんなにおっしゃりたいことが出てくるのでしょうね。姫宮様がご懐妊なさってもこれでは、まったく失礼で不安だこと」
姫宮様の過ちを知らない女房たちはただ源氏の君をお恨みする。
小侍従だけはひやひやしながら成り行きを見守っていた。



