梅雨のころになると、すっかりご回復とまではいかないけれど、ご危篤のころに比べれば少しはよくおなりになった。
それでも寝たきりでいらっしゃる。
お祈りはずっと続けられている。
妖怪はあれからときどき現れて紫の上をお苦しめするの。
暑くなってくるとぐったりと弱ってしまわれたので、源氏の君はおろおろと嘆かれる。
ご病床からうつろな目でご覧になって、はっきりしない意識でお考えになる。
<いつ死んでも心残りはないけれど、今でさえこれほど悲しんでおられるのだから、私が死んだときにはどうなってしまわれるのか>
心苦しくて、お薬湯などを少しはお飲みになるようになった。
それがよかったのかしら、ひと月ほどするとお頭をもたげることがおできになるようになった。
源氏の君はうれしく思われたけれど、まだ油断はできないと思って、六条の院にはお行きにならない。
それでも寝たきりでいらっしゃる。
お祈りはずっと続けられている。
妖怪はあれからときどき現れて紫の上をお苦しめするの。
暑くなってくるとぐったりと弱ってしまわれたので、源氏の君はおろおろと嘆かれる。
ご病床からうつろな目でご覧になって、はっきりしない意識でお考えになる。
<いつ死んでも心残りはないけれど、今でさえこれほど悲しんでおられるのだから、私が死んだときにはどうなってしまわれるのか>
心苦しくて、お薬湯などを少しはお飲みになるようになった。
それがよかったのかしら、ひと月ほどするとお頭をもたげることがおできになるようになった。
源氏の君はうれしく思われたけれど、まだ油断はできないと思って、六条の院にはお行きにならない。



