衛門の督様は源氏の君のお顔をまともに見られず、恐ろしい気がなさる。
<源氏の君のご正妻に恋心を抱くなど、あってはならないことだ。私は太政大臣の長男として輝かしい将来がある身なのだから、どんな小さな失敗もするまいと気をつけてきたのに、これはとんでもない罪になる>
身震いをして、
<せめて、あの猫を手に入れたい。話し相手にはならないが恋心を慰めるために懐かせよう>
とお考えになる。
でも、いったいどうやって盗み出したらよいのかしら。
姫宮様どころか猫一匹ご自分のものになさることも難しいの。
<源氏の君のご正妻に恋心を抱くなど、あってはならないことだ。私は太政大臣の長男として輝かしい将来がある身なのだから、どんな小さな失敗もするまいと気をつけてきたのに、これはとんでもない罪になる>
身震いをして、
<せめて、あの猫を手に入れたい。話し相手にはならないが恋心を慰めるために懐かせよう>
とお考えになる。
でも、いったいどうやって盗み出したらよいのかしら。
姫宮様どころか猫一匹ご自分のものになさることも難しいの。



