女三の宮様が来てくださるとお聞きになった入道の上皇様は、
「それならば姫宮の琴が聞きたい。源氏の君に降嫁して六年、さすがに琴くらいは上達したであろう」
とおっしゃる。
ご自分でもお教えになっていたけれど、十四、五歳で姫宮様はご降嫁なさったから、それからどうおなりになったかご心配なの。
<ときどきお教えしていたから上達はなさったけれど、まだ入道の上皇様にお聞かせできるほどの腕前ではいらっしゃらない。このままたいして練習せずにお会いになったら、恥をおかきになるだろう>
それでは姫宮様がお気の毒なので、熱心に教えておあげになる。
めずらしい曲を二、三曲、それから少し長めの曲を由緒正しい技とともに伝授なさると、はじめはおぼつかなかった演奏も、しだいにとてもお上手になってきた。
「昼間は人の出入りが多いから、耳を音色に集中させにくい。難しい技は夜の静かなときにお教えしましょう」
紫の上にお許しをもらって、それからは昼も夜も姫宮様のお部屋にいらっしゃる。
「それならば姫宮の琴が聞きたい。源氏の君に降嫁して六年、さすがに琴くらいは上達したであろう」
とおっしゃる。
ご自分でもお教えになっていたけれど、十四、五歳で姫宮様はご降嫁なさったから、それからどうおなりになったかご心配なの。
<ときどきお教えしていたから上達はなさったけれど、まだ入道の上皇様にお聞かせできるほどの腕前ではいらっしゃらない。このままたいして練習せずにお会いになったら、恥をおかきになるだろう>
それでは姫宮様がお気の毒なので、熱心に教えておあげになる。
めずらしい曲を二、三曲、それから少し長めの曲を由緒正しい技とともに伝授なさると、はじめはおぼつかなかった演奏も、しだいにとてもお上手になってきた。
「昼間は人の出入りが多いから、耳を音色に集中させにくい。難しい技は夜の静かなときにお教えしましょう」
紫の上にお許しをもらって、それからは昼も夜も姫宮様のお部屋にいらっしゃる。



