女三の宮様は、年月が経てば経つほど重く扱われていかれる。
父君である入道の上皇様、兄君である帝、そして夫君の源氏の君がついておられるのだもの。
それをご覧になっている紫の上は、やはりご自分はもう出家した方がよいとお思いになるの。
<私は源氏の君のご愛情だけが頼りだ。今はまだ誰にも負けていないが、いつまでもこのままのご愛情ではないだろう。そうなる前に出家してしまいたい。しかし、女の自分が出家を願うのは、かわいげのないことだと源氏の君はお嫌いになるだろう>
素直で従順な女君でいることを捨てられないから、出家のお願いをはっきりとは言い出せずにいらっしゃる。
帝まで姫宮様のご心配をなさるので、源氏の君は宮様のところにお泊まりになることが増えていった。
だんだん紫の上と同じくらいのお扱いになっていく。
<あちらは内親王様であられる上にご正妻なのだから、それも当然だ>
と思うけれど、お心のなかは穏やかではいらっしゃらない。
気を紛らわせるために、明石の女御様がお生みになった幼い姫宮様をお引き取りになった。
そのお世話をなさっていれば、おひとりの夜もお心が慰められるの。
どの宮様もそれぞれにおかわいらしいと、すっかり祖母君のようでいらっしゃる。
夏の御殿の花散里の君はそれがうらやましい。
ご自分も孫君をお世話したいと大将様にお願いなさる。
源氏の君のご子息の大将様は早くに母君を亡くして、花散里の君が養母におなりになったの。
だから、大将様のお子を孫のように思っていらっしゃる。
大将様は、ご正妻の雲居の雁ではなく、惟光の娘で典侍をしている人が生んだ姫君をお預けになった。
とてもかわいらしくて、まだ幼いけれど大人びているので、源氏の君もにこにこしてかわいがりなさる。
源氏の君のお子は、秘密のお子である新上皇様の他には、大将様と明石の女御様だけ。
でも孫君がたくさん増えたから、近ごろは幸せな祖父君として毎日を楽しんでおられる。
そうやって世代交代が進んでいっているのだけれど、女三の宮様は二十歳を過ぎても少女のように幼いままでいらっしゃる。
明石の女御様は帝にお任せして、源氏の君は女三の宮様をご自分の姫君のようにお育てなさっている。
父君である入道の上皇様、兄君である帝、そして夫君の源氏の君がついておられるのだもの。
それをご覧になっている紫の上は、やはりご自分はもう出家した方がよいとお思いになるの。
<私は源氏の君のご愛情だけが頼りだ。今はまだ誰にも負けていないが、いつまでもこのままのご愛情ではないだろう。そうなる前に出家してしまいたい。しかし、女の自分が出家を願うのは、かわいげのないことだと源氏の君はお嫌いになるだろう>
素直で従順な女君でいることを捨てられないから、出家のお願いをはっきりとは言い出せずにいらっしゃる。
帝まで姫宮様のご心配をなさるので、源氏の君は宮様のところにお泊まりになることが増えていった。
だんだん紫の上と同じくらいのお扱いになっていく。
<あちらは内親王様であられる上にご正妻なのだから、それも当然だ>
と思うけれど、お心のなかは穏やかではいらっしゃらない。
気を紛らわせるために、明石の女御様がお生みになった幼い姫宮様をお引き取りになった。
そのお世話をなさっていれば、おひとりの夜もお心が慰められるの。
どの宮様もそれぞれにおかわいらしいと、すっかり祖母君のようでいらっしゃる。
夏の御殿の花散里の君はそれがうらやましい。
ご自分も孫君をお世話したいと大将様にお願いなさる。
源氏の君のご子息の大将様は早くに母君を亡くして、花散里の君が養母におなりになったの。
だから、大将様のお子を孫のように思っていらっしゃる。
大将様は、ご正妻の雲居の雁ではなく、惟光の娘で典侍をしている人が生んだ姫君をお預けになった。
とてもかわいらしくて、まだ幼いけれど大人びているので、源氏の君もにこにこしてかわいがりなさる。
源氏の君のお子は、秘密のお子である新上皇様の他には、大将様と明石の女御様だけ。
でも孫君がたくさん増えたから、近ごろは幸せな祖父君として毎日を楽しんでおられる。
そうやって世代交代が進んでいっているのだけれど、女三の宮様は二十歳を過ぎても少女のように幼いままでいらっしゃる。
明石の女御様は帝にお任せして、源氏の君は女三の宮様をご自分の姫君のようにお育てなさっている。



