上皇の位にある方がおふたりになったから、女三の宮様の父君の方は入道の上皇様とお呼びいたしましょうか。
入道の上皇様は、ご自分の皇子様が新しい帝におなりになったけれど、仏教の修行に集中なさって、内裏のことなどは聞かないようにしておられる。
ただ、春と秋には帝が上皇様のお住まいへ行幸なさることになっているから、そのときには捨てた世間のことを思い出される。
やはり唯一のご心配は女三の宮様のこと。
「源氏の君がだいたいの後見はしてくださっているだろうが、細かいところはあなたがさりげなく気遣ってやってほしい」
と帝にお願いなさる。
さっそく帝は女三の宮様の内親王としての格をひとつ上げて、経済面の強化をなさった。
ますます華やかなご威勢におなりになったわ。
入道の上皇様は、ご自分の皇子様が新しい帝におなりになったけれど、仏教の修行に集中なさって、内裏のことなどは聞かないようにしておられる。
ただ、春と秋には帝が上皇様のお住まいへ行幸なさることになっているから、そのときには捨てた世間のことを思い出される。
やはり唯一のご心配は女三の宮様のこと。
「源氏の君がだいたいの後見はしてくださっているだろうが、細かいところはあなたがさりげなく気遣ってやってほしい」
と帝にお願いなさる。
さっそく帝は女三の宮様の内親王としての格をひとつ上げて、経済面の強化をなさった。
ますます華やかなご威勢におなりになったわ。



