強気じゃない自分を見られることも。



「ほら、こっちを向いて」



なのにレシール様は私の顔が真っ赤になればなるほど嬉しそうに顔を見つめて、優しく頭を撫でて下さる。

まるで可愛らしく愛おしい女性を扱うように。

「セルト様は女性がお嫌いだったのではないのですか?」

「確かに女性と接するのは得意ではないが、レシールが思っているほどではないよ。何よりレシールは特別だと前に言っただろう?」

今まで私を特別扱いする人などいなかった。